コミュニティメンバー tomoharuシェフ @tomoharu の新連載「日々のルセット 〜千変万化」。ルセットとは、フランス語でレシピのこと。暮らしの巡りのなかに無理なく取り入れられるお料理レシピを教えていただきます。



皆さま、こんにちは。料理人のともはるです。

「日々のルセット〜千変万化〜」は、日々の料理や暮らしを通じて、新しい発見や楽しみを皆さんと共有していきたいと考えています。

季節や気分に合わせて日常に取り入れやすいハーブやスパイスを使った料理をお届けしたい!

なんと、連載も今回で6回目になりました。毎回たくさんの方にレシピを作っていただき感謝申し上げます。

今回は、ちょっと異国の香り漂う 「バクテー(肉骨茶)」 をご紹介します。

まだまだ暑さが残る時期でも、スパイスの力を借りて滋養をつけたいときにぴったりの一品です。

バクテーとは
「バクテー(肉骨茶/Bak Kut Teh)」は、マレーシアやシンガポールで親しまれているスープ料理のこと。中国系移民が伝えたと言われ、豚のスペアリブをにんにくや胡椒、漢方系のスパイスで煮込んだものです。
滋養強壮食として屋台や家庭で愛され、ライスや揚げパン(油条)を添えて楽しむのが現地流です。

僕が以前シンガポールを旅行した際に専門店で食べたバクテーです。

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割と具材が多めのお店。スープがしっかり煮込まれていて、結構スパイスの味が濃い一品でしたよ。

【名前の由来】
「肉骨茶(Bak Kut Teh)」という名前に“茶”とつきますが、実際にスープにお茶は使われません。由来には諸説あり、スープをお茶のように日常的に飲んでいたから、食事と一緒に中国茶を合わせる習慣があったから という説明があります。どちらも現地でよく語られる説です。

バクテーのレシピ


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<材料>  作りやすい分量
スペアリブ    500g
生姜スライス    8枚
ニンニク    2片
黒胡椒    15粒
クローブ    15粒
シナモン    4g
オイスターソース    大さじ3
醤油    大さじ2
塩    小さじ1/2

※下処理用に:塩(分量外)


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【作り方】

❶お肉の下処理
鍋にスペアリブ下茹で用の湯を沸かしておきます。

スペアリブは1本ごとに、塩小さじ1(分量外)をすり込みます。骨がある側をしっかり、塩で掃除するようなイメージで擦り込むと良い◎

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湯を沸かしておいた鍋にスペアリブを投入。

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表面が白くなったらスペアリブを引き上げ、冷水でよく洗います。
※この工程はあくまでも下処理。中まで火を通す必要はありません。

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お肉は柔らかいと思います、ゴシゴシではなく優しく包み込むように洗ってください(食材への愛が大切です)。ここで丁寧に、臭みの原因の血管や浮き上がった血、アクなどを取り除きます。

血管など、複雑なパーツがあれば重点的に!!

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スペアリブの特性上、骨が露出しているのでケガをしないようにしてくださいね。


❷すべての材料を鍋に!
蓋のできる鍋に、すべての材料を入れて強火で加熱します。

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沸騰したら、浮いてきたアクを取り除きます。強火の方がアクが集まり取りやすいです。

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アクを取り除いたら、弱火に落とし、「おいしくなってね」と気持ちを込めて蓋をします。

(重要です、馬鹿にせずに気持ちを込めてお願いします)


❸1時間、じっくり
1時間じっくり煮込みましょう。
※30分で食べられますが、最低一時間は煮た方がおいしいです

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1時間経ったら、完成!


●食べ方の楽しみ
そのままスープをすすり、骨付き肉を豪快にかぶりつくのが醍醐味。

シンプルに塩味で仕上げていますが、現地風に「つけダレ」を用意するとさらに楽しいです。

・醤油+砂糖+唐辛子
・酢醤油
・黒酢を少し加える

など、お好みでどうぞ。


<おまけの補足>
・旨みを手っ取り早く加えたいときは干し椎茸
・大根やクコの実を加えて薬膳風に
・冷蔵庫に余っている根菜やきのこ類も相性抜群

また、コミュニティのメンバーの皆さまの中には、スパイスや薬膳に詳しい方も多いと思います。

体調や季節に合わせて、お好みのスパイスを加えて楽しんでいただくのもおすすめです。

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今回は、東南アジアの食文化を感じるスープ「バクテー」をご紹介しました。スパイスの香りが立ちのぼり、体の芯から元気になるような一杯。

冷蔵で2〜3日保存でき、味が落ち着いていく過程も楽しめます。ぜひご家庭でもお試しください。

作ってみました〜のレポートもお待ちしております。


【これまでの「日々のルセット」を読む】
2024.10 鮭のフリカッセ   
2024.12 名前のない料理 
2025.2 ポトフ 
2025.4  新玉ねぎのドレッシング
2026.6 ラープ


tomoharu(ともはる)
フランスでのワーキングホリデーをきっかけに日々の暮らしを見つめ直す。世界各国を食べ歩き、ジャンルに縛られない「素材を活かしたシンプルで自由な料理」を広めるために活動中。2024年12月、カフェ「Dantre(ダントル)」  をオープン!


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