コミュニティメンバー tomoharuシェフ @tomoharu の新連載「日々のルセット 〜千変万化」。ルセットとは、フランス語でレシピのこと。暮らしの巡りのなかに無理なく取り入れられるお料理レシピを教えていただきます。



皆様こんにちは。昨年10月から隔月の連載を担当しております、料理人のともはるです。

「日々のルセット〜千変万化〜」と題したこの連載では、日々の料理や暮らしを通じて、新しい発見や楽しみを皆さんと共有していきたいと考えています。

連載も5回目になりました。毎回たくさんの方にレシピを作っていただき感謝申し上げます。今回はタイ料理を一緒に作りましょう!


梅雨の真っ最中の地域がまだ多いなか、じめじめでなんだか体調がすぐれないなぁと言う方も多いのではないでしょうか。今日も簡単で、それでいて食べたら不思議と力が湧いてくるようなハーブたっぷりの一品です。読んで興味を持っていただけたら是非一度作ってみて欲しいです。

最後までしっかり読んで、自分の中に落とし込んでから調理をスタートしてください。これはお約束ですよ。

ラープを作ろう!


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ラープって何だろう・聞いたことないな・食べたこともないな、この三拍子が揃っている方も多そう。

ラープは、タイの東北部(イーサーン地方)の郷土料理です。ラオスでも食べられています。

特徴は・・・
ひき肉を使うこと(鶏肉が一般的です)
ナンプラーとライム、唐辛子とハーブを使うこと
もち米と食べたり、葉野菜で巻いて食べたりする
熱々でもないし、冷たいわけでもない。

※本場では生の米を香ばしく炒ってすり鉢で砕いてアクセントのように使いますが、非常に手間なので割愛します。


<材料>  作りやすい分量
赤玉ねぎ    4分の1(小さければ半玉)
ニンニク    1片
ひき肉        150g(豚・鶏・牛などお好きなもの)
パクチー    たっぷり
ミント        たっぷり
トマトなど好きな具材

ナンプラー        大さじ2
砂糖                    大さじ1
ライム               ½個(レモンでも可)

赤唐辛子または、青唐辛子(お好みで)

お好みで包んで食べる用のレタスやキャベツ、一緒に食べるご飯など

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上記が作りやすい分量ですが、選ぶ具材によって出来上がりの量は多少変動します。


<調理器具>
ボール
ザル
フライパン
スプーンなど混ぜるもの




【作り方】

❶材料の下ごしらえ
・ニンニク
ニンニクをみじん切りにします。

今回は丁寧に切り揃えるというより、ざっくりと。家庭料理っぽい雰囲気にしたいので大きさは揃えなくて大丈夫です。細かくみじん切りが細かいみじん切りが苦手だなぁと言う方には、朗報です!笑   

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ニンニクが切れたら、そのままフライパンの片側へ入れます。面倒なので一気に炒めるたいので、片側に入れてください。

・赤玉ねぎ
赤玉ねぎはスライスして水にさらし、辛みをとっておくとgood 。普通の玉ねぎでも出来ますが、赤玉ねぎの方が本場に近い味が出ます。

・ミント
ミントは太い茎を取り除きます。

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・パクチー
パクチーは葉と茎に分け、茎は包丁で食べやすい長さにカットします。

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パクチーの茎の固さも大好き!という方は全部まとめてカットしてください。個人的には茎に少し火を通し、葉はフレッシュ感が欲しいのであえて分けています。

ハーブはたっぷり用意するのが吉です。たくさんあっても余熱で火が通るとボリュームが減ります。

・トマトなど
トマトなど好きな野菜を一口大にカット。

長ネギやオクラ、茄子など何でもOKです。彩りが綺麗で味も好きなので、今回はトマトを使っています。

・調味料の材料
調味料(ナンプラー、砂糖、ライム)を全て合わせて小さな器で混ぜておきます。ライムの果汁を絞っていますが、レモンやレモン汁でもOKです。

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これで材料が揃いました。

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❷ニンニクとひき肉を炒める
片側にニンニクが入っているフライパンに、ひき肉を入れます。

ひき肉からは油が出るので、ニンニクを入れている部分にオイルを小さじ1入れます。

面倒なので一気に炒めますが、フライパンが小さい場合や鍋で作る場合は先にニンニクを炒めても大丈夫です。

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豚肉にひとつまみ塩をして、中火で加熱します。ニンニクをキツネ色にする必要はありません(ペペロンチーノじゃないよ)。

炒めていると、ニンニクが少し透明感を帯びてきます。火が入ってきた証拠です、いい感じ!    炒め始める前と後、食材をよく観察してください。ちゃんと食材と向き合うと、料理が上手になります(嘘じゃないよ)。


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絶えず炒め続ける必要もありません。余裕があれば、炒めながら調味料を合わせてもOKですよ。


❸炒めている間に…
それから、炒めている間に、ミントとパクチーの葉っぱを手で少しちぎって香りを出しておきます。香りが飛んでしまうので、ちぎる作業はなるべく直前にすることをお勧めします。


❹調味料とその他の材料を加える
ひき肉に火が通ったら、混ぜ合わせておいた調味料を一気に加えます。その後、火を止めて全体を混ぜます。

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赤玉ねぎとパクチーの茎の部分を入れます。

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全体を混ぜて、少しだけしんなりしたかな?くらいでミントとパクチーの葉、トマトを入れます。

好きな具材としてトマトを使いましたが、ナスやオクラなど少し火を通した方が美味しい食材については豚肉を炒めるタイミングで投入しましょう。

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全体を混ぜたら完成!!ライムを絞っていただきましょう。


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ご飯と食べてもよし、レタスやキャベツで巻いて食べてもよし。

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結構量があるのですが、ひき肉150gの量でもペロっと食べられる不思議!


●唐辛子のこと
僕はあまり辛い料理が得意ではないので、火を止めてから赤唐辛子を加えました。

スパイシーが好きな方は、豚肉を炒めるタイミングでお好きな唐辛子を加えて一緒に炒めましょう!ここはお好みで。生の青唐辛子などでも最高ですね。

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ナンプラーはメーカーによって味が違いますが、美味しくできます。
多少レモン汁入れすぎた〜とか、砂糖少なかったかも、という時でも何故か美味しくできます。本当に不思議な料理です。

今回はパクチーとミントですがバジルをたっぷり入れても美味しいです。

パクチーは少し苦手だな、という方は三つ葉で作りましょう!ちなみに、クレソンでも美味しいです。

これからの季節は冷麺にかけたり、ひやむぎや素麺と和えたり。作っておいたラープを冷奴と食べたりしても非常に美味です。ここまでくると、美味しいしか言ってない気がしてきましたが誇張ではありません。

合わせる具材によって時間が経つと水分が出ますが、あまり気にしないようにしましょう。


<おまけの補足>
ラープは鶏肉で作ることが一番多いので、料理名は「ラープ・ガイ」です。

タイ語で鶏はガイ、豚はムー、牛はヌアといいます。
今回ご紹介したレシピでは豚ひき肉を使っているので「ラープ・ムー」です。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

慣れたら10分以内に作れると思います。一度作って食べたら、きっと夏の終わりまで虜になるはずです。私はこんな具材で作ってみました〜のレポートもお待ちしております。



【これまでの「日々のルセット」を読む】
2024.10 鮭のフリカッセ  
2024.12 名前のない料理
2025.2 ポトフ
 2025.4  新玉ねぎのドレッシング


tomoharu(ともはる)
フランスでのワーキングホリデーをきっかけに日々の暮らしを見つめ直す。世界各国を食べ歩き、ジャンルに縛られない「素材を活かしたシンプルで自由な料理」を広めるために活動中。2024年12月、カフェ「Dantre(ダントル)」  をオープン!


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