コミュニティメンバー tomoharuシェフ @tomoharu の新連載「日々のルセット 〜千変万化」。ルセットとは、フランス語でレシピのこと。暮らしの巡りのなかに無理なく取り入れられるお料理レシピを教えていただきます。
今回は新玉ねぎのドレッシングのレシピと、さらに!それを活用したメインを含む4品のレシピが届きました。新玉ねぎがあれば、ゴールデンウィークの食卓がとても豊かになりそうです!
皆様、こんにちは。昨年10月から隔月の連載を担当しております、料理人のともはるです。
「日々のルセット〜千変万化〜」と題したこの連載では、日々の料理や暮らしを通じて、新しい発見や楽しみを皆さんと共有していきたいと考えています。
#3でご紹介した特製ポトフ、たくさんの方に作っていただき感謝申し上げます。
今回の第4弾では、新玉ねぎシーズンにピッタリのドレッシングの作り方をお届けします。読んで興味をもっていただけたら是非一度作ってみて欲しいです。
最後までしっかり読んで、自分の中に落とし込んでから調理をスタートしてください。これはお約束ですよ。
新玉ねぎのドレッシング Vinaigrette à l’oignon nouveau
<材料> 作りやすい分量
新玉ねぎ 中1個(200g)
塩 小さじ1(5g)
砂糖 大さじ2(15g)
お好みの酢 100cc
お好みのオイル 200cc
上記が作りやすい分量ですが、結構たくさんできます。一人暮らしの方は半量からお試しいただくとベストかも。
<調理器具>
ボウル
おろし器
スプーンなど混ぜる物
※フードプロセッサーやハンディブレンダーでも作れます。とても便利な機械ですが、食材に摩擦熱が加わり品質が低下すると折角の新玉ねぎが可哀想なので、今回はゆっくり手ですりおろすレシピを紹介します(作り方はお任せしますよ)。
【新玉ねぎのドレッシング】
❶新玉ねぎのすりおろし
新玉ねぎの皮を剥き、上をカットします。根の部分は切らずに付けたまま進めましょう。
いい感じのボウルにおろし器をセット。
おろし器はご家庭にあるもので! なるべく大きいおろし器があるといいですね。
ここで縦に動かさず、おろし器全体を広く使って円を描くように玉ねぎを動かします。無理やり力を入れて早くすりおろす意識ではなく、玉ねぎを愛でるようなイメージで。
少し時間はかかりますが、丁寧にすりおろします。
たまにボウルを確認してみましょう。ちゃんとキメの細かい玉ねぎが下に落ちてきていますね。順調です。
うまく行けば、このように最後は玉ねぎの根だけが残ります。
❷調味料と合わせる
玉ねぎをすりおろしたら、まず塩と砂糖を加えてしっかり混ぜます。
オイルを先に混ぜてしまうと、後から加えた塩と砂糖が溶けないことがあるので注意。
※サトウキビの砂糖を使ったので、少し茶色い仕上がりになっています。
砂糖ではなく蜂蜜でも美味しく仕上がるのでオススメですよ!!
しっかり溶けたら、お好みの酢を加えてよく混ぜ、最後にオイルを混ぜます。
僕はアップルビネガーとオリーブオイルを使いましたが、皆さんのお家にあるもので作ってください。仕上がりの色や風味はもちろん変わりますが、穀物酢でもワインビネガーでも黒酢でも何でもOKです。
ということで、混ぜるだけ!完成(拍手!!)
ここまでが、本日の基本ドレッシングです。ここからは、新玉ねぎのドレッシングを活用して色々作りますよ~。
4品ご紹介しますので、テンポよく進めますね!
【キャベツのマリネ】
キャベツ1/4くらいを少し大き目にカットにし、塩をパラパラと振りかけます。
全体に塩をまぶしてから、キャベツを鷲づかみに。揉むというより、そのままギューッと押すようなイメージで。
20回くらいギューッとすると、半分くらいの嵩になるはず。
最後に、作っておいた新玉ねぎのドレッシングをたっぷり混ぜたら出来上がり!
(個人的には大量に作って3日目くらいが美味しいと思っています)
【夏はキュウリで決まり!】
これからの季節は、とにかくキュウリですね。
キュウリの両端を切り落としたら、心臓マッサージみたいな感じで、体重をかけてまな板にキュウリを押し付けます。端から端へ移動しながら、全体を潰します。
※よく、叩きキュウリってありますよね。麺棒や瓶で叩いて作る方法だとキュウリが粉々になってしまうので。僕はもう少し丁重に扱いたいです。食材に愛を持ってね。
しっかり体重をかけてあげると、いい感じに潰れますよ。
全体が潰れたら食べやすい大きさにカット。
次は、先ほど体重をかけた面と違う方向に潰れるように、キュウリを90度回転させて軽く押さえます。すると不思議、中央の種の部分の水分が中心となって、綺麗に割れます。
あとは、新玉ねぎのドレッシングを和えて出来上がり。
柚子胡椒やワサビなど、少し混ぜてもおつまみにピッタリです。ドレッシングを纏ったキュウリは艶やかで美味しそうですよ。
【パスタにしよう!の巻】
(スパゲッティ・アラ・クルーダイオーラ)
次は、ドレッシングを活用した主食を作りますよ。
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※スパゲッティ・アラ・クルーダイオーラ
南イタリア(特にプーリア州)などで食べられるパスタです。トマト・バジル・モッツアレラ・オリーブオイルなど加熱しないソースをボウルで作っておき、茹でた麺を和えるだけの料理です。
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パスタ1人前80gくらい、しっかり塩気のあるお湯で茹でます。袋に記載の茹で時間より30秒ほど早くタイマーをセット!
茹でている間に、ミニトマトを縦にカットして大きめのボウルに入れましょう。
軽くトマトに塩をして混ぜてから、新玉ねぎのドレッシングをたっぷりと入れてさらに混ぜます。これが今回のソースになります。
あとは麺が茹で上がるのを待つだけ。
タイマーが鳴ったら、トングなどでそのままボウルに麺を移動します。
ソースと絡めてしっかり混ぜたら完成です。ここで器が小さいと混ざらないので、なるべく大きいボウルでソースを準備しましょう!
完成写真では少しチーズをかけました。お好みでバジルやパセリやモッツアレラなどご自由に。
カッペリーニみたいに麺を冷やしません。冷たいソースに熱々の麺を絡める。
ほんのり温かいパスタなんですが、これが想像以上に美味しいから絶対作って欲しい!!
【鶏胸肉のソテー 新玉ねぎドレッシング】
パスタと来たら、最後はメイン料理も作っちゃおう!!
スーパーに売っていた「みつせ鶏の胸肉」を購入しました。
最近は胸肉がスライスされた商品が売っていて便利!
モモより使いやすい、焼くのも簡単なので今回は胸肉を使います。
洗い物を増やしたくないので、トレーの上で肉を広げ、全体的にしっかり塩をふります。コショウはお好みで。
オリーブオイルを敷いたフライパンで、中火で焼きます。
あまり動かさず、全体の6割くらい白くなってきたらひっくり返すと丁度いいですね。
うっすらきつね色に焼けているはず。
片面が6割焼けていたら、90秒くらいで反対側も焼けます。でも心配。焼けてるのか分からない・・・という方へ
繊維で肉が割れるので、トングか箸で掴んで裏を見てみましょう。断面にも火が通っているか確認が簡単にできますよ!!
これがモモ肉だと難しいんですよね。
少し繊維を割って確認したとしても肉がバラバラになることはないので安心してください。(あまり細かいことは気にしないで確認する、何度か経験したら焼けたかどうかの判断が出来るようになります)
細かい工程は省きますが、メイン料理なのでミニトマトは食べごたえ重視で半分にカット。サラダを添えたお皿に焼けたお肉を盛り付けて。
豪快に新玉ねぎのドレッシングをソースとしてかけたら出来上がり~!
彩りもバッチリ、タンパク質もしっかり取れる、ソースもあっさりで暑い日でも最後まで飽きずに食べられます。
個人的には、たくさん鶏肉を焼いて保存容器に並べて。ソースをたっぷりかけて、一晩冷蔵庫へ。南蛮漬け風に食べるのも好きです。
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その他、焼いた魚や冷奴にかけたり。そうめんや冷や麦、中華麺にも!とにかく万能なドレッシングです。
冷蔵保存で2週間くらいで食べましょう。たくさん作って冷凍もできます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。新玉ねぎが美味しい今だからこそ、の活用レシピです。また、作ってみました~のレポートもお待ちしてます!
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【これまでの「日々のルセット」を読む】
2024.10 鮭のフリカッセ
2024.12 名前のない料理
2025.2 ポトフ
tomoharu(ともはる)
フランスでのワーキングホリデーをきっかけに日々の暮らしを見つめ直す。世界各国を食べ歩き、ジャンルに縛られない「素材を活かしたシンプルで自由な料理」を広めるために活動中。2024年12月、カフェ「Dantre(ダントル)」 をオープン!
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