コミュニティメンバー tomoharuシェフ @tomoharu の新連載「日々のルセット 〜千変万化」。ルセットとは、フランス語でレシピのこと。暮らしの巡りのなかに無理なく取り入れられるお料理レシピを教えていただきます。お料理がハードルが下がるtomoharuシェフの優しさ満載のポイント解説にも驚いて!



皆様、こんにちは。10月から隔月の連載を担当しております、料理人のともはるです。

「日々のルセット〜千変万化〜」と題したこの連載では、日々の料理や暮らしを通じて、新しい発見や楽しみを皆さんと共有していきたいと考えています。

#1では鮭を使ったレシピ、#2では料理についての自由な発想と題したコラムでお送りしました。

今回の第三弾では、寒い季節にピッタリの特製ポトフの作り方をお届けします。

最後までしっかり読んで、自分の中に落とし込んでから調理をスタートしてください。これはお約束ですよ。

ポトフ  pot-au-feu

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<材料>  2人前
豚バラ焼肉用            8枚くらい
玉ねぎ                        1個
長ネギ                        1本
人参                            1本
じゃがいも                2個
白菜                            8分の1カット

オイスターソース    大さじ2
タイム                        小さじ2分の1
美味しい塩                適量
オリーブオイル        適量
水                             合計550cc(50cc+500cc)

一緒に食べるパンがあるとさらにgood!!
フランス流に楽しむなら、たっぷりのマスタードをお好みで。

<調理器具>
大きい鍋
ゴムベラ(あるとよい)


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食材の量と種類は目安です。好きに調整してくださいね。肉がたくさん食べたい方は豚バラのブロックをご自身でカットしてもgoodです。

僕は面倒なので焼き肉用のカット済みを買いました。水とオイスターソースの量は守ってください。




【作り方】

❶具材の準備ー豚肉
焼肉用の豚バラ肉をトレーの上で重ならないように広げて、全体に塩をふりかけます。少し多いかな? と思うくらいがベストです。ラップをして肉とラップを密着させるように手で軽く抑えます。

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❷具材の準備ー野菜
肉に下味をつけている間に野菜をカットします。(普通の玉ねぎがなかったので、赤玉ねぎを使っています)

今回の作り方で大事なパートは、具材にしっかりと焼き色をつけることなので、玉ねぎと白菜は根元を切り離さずつながった状態の方が調理しやすいです。

ただ白菜の葉先の方など、どうしてもバラバラになってしまう部分もあります。細かいところは気にせずに進めましょう!!


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❸焼きの工程ー野菜
大きい鍋にオリーブオイルを大さじ2入れ、強火にします。野菜の切り口を下にして並べます。置いたら動かさずに待ちましょう。

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面倒ですが、焼けたら一度取り出します。

こんがり焼けるのがベストなので、ちょっと少し焦げてしまったかなぁと思う位で問題ありません。(丸焦げはダメですよ。)


❹焼きの工程ー豚肉
野菜を焼き終えたら、豚肉を確認します。
よく見ると豚肉から少し水分が出て、先ほどよりもしっとりとしているはずです。

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野菜を焼いた後の鍋で豚バラを焼きます。豚バラには油が多いのでオイルは引かなくても大丈夫。野菜同様。肉もしっかりと焼き色をつけます。

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おいしそうな濃い目のキツネ色に焼けたら取り出します。すぐに鍋に戻すので、とりあえず野菜の上に乗せましょう。

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❺旨みを取り出す
野菜とお肉を焼いた鍋(豚肉を取り出して、火はつけたままです。強火のままキープしてください)に分量の水550ccのうち50ccを加えます。

細かく50ccを計らず、適当で大丈夫。

ここで鍋にこびりついた野菜と豚肉の旨味を水分で煮溶かします。ゴムベラで鍋底の全体を綺麗に掃除するようなイメージで。

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加えた水に、旨みよ溶け出せ〜と念じながら混ぜます。←これが大切

※フレンチの手法で、デグラッセといいます(覚えなくていいですよ笑)

デグラッセしたうまみの液体がはこんな感じです。分かりやすく鍋を傾けています。

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時間については30秒もすればOKです。こびりついていた鍋底の旨みが水に溶けると、鍋底がツルツルになってきます。

(完全にツルツルではないですが、ゴムベラで混ぜていると感覚的に分かるはず)


❻仕上げ
残りの500㏄の水を入れ、焼き色をつけた野菜とお肉を鍋に入れます。取り出す際に使用していたトレーなどに残っているエキスも残らず鍋に入れましょう。

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ここでオイスターソースとタイムを加えます。鍋の中で自動的に混ざるので、特にかき混ぜる必要はありません。 強めの中火にして蓋をし、15分加熱しましょう。


⑦最終調整
スープの色の目安はこれくらいです。

これ以上はオイスターソースは加えません。味見して、味が薄ければ塩を加えて「おいしい」と感じる濃度まで調整します。

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基本的には15分の加熱で火が通ります。煮えたかどうか心配な方は、1番硬い食材(今回は人参)に竹串や爪楊枝などを指してみて確認しましょう。


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味付けはオイスターソースと塩のみ、ここでタイムが良いアクセントになり味わいに深みが出ます。これを機会に、タイムを買ってください。ローズマリーではなくタイムであることがポイント。生のタイムの場合は2~3本入れてくださいね。

特に難しい作業はありません、じっくり食材を焼くのみです。
あとは、しっかり旨みをこそげ取ること。

これだけで伝統のあるホテルのレストランで出てきそうなポトフが完成します(食べたら分かります、本当に!)。

【tomoharuシェフのポイント解説】

ポイント❶

焼き色を早くつけたい場合は、野菜の断面をキッチンペーパーで軽く抑えて水分を拭き取ると良いでしょう。じゃがいもの断面を拭くと写真のように水分が取れることがわかります。

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ポイント❷
各家庭の鍋の素材や大きさによって、焼き色を付ける際のオリーブオイルの量は調整してください。あまり焦げ付かない材質なら、オイルは少しで大丈夫。焦げ付きが心配な場合は野菜を焼きながら少しずつオイルを足しましょう。

ポイント❸
オイスターソースはメーカーによって塩分量が異なりますが、お好きなものを使ってください。

ポイント❹
試作で、生のきくらげを加えたら美味しかったです!! その他おすすめの食材はエリンギ、ミニトマト、パプリカ、大根です。厚揚げも最高ですが、おでんっぽい雰囲気になります(笑) 。色々試してみてください。

パンを染み込ませて食べるのもオススメです。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。オイスターソースの万能さが伝わると嬉しいです。また、作ってみました~のレポートもお待ちしてます!

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【これまでの「日々のルセット」を読む】
2024.10 鮭のフリカッセ
2024.12 名前のない料理


tomoharu(ともはる)
フランスでのワーキングホリデーをきっかけに日々の暮らしを見つめ直す。世界各国を食べ歩き、ジャンルに縛られない「素材を活かしたシンプルで自由な料理」を広めるために活動中。2024年12月、カフェ「Dantre(ダントル)」 をオープン!


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