連載開始と同時に一人用のボートで海へと漕ぎ出したパリ在住の龍山千里さん @チサト 。エッセイ「ボートを漕ぐ道すがら」では、ボートの内と外を巡らせて浮かび上がるその時々の心象風景を綴っていただきます。毎月、創作してくださるエッセイの挿絵もお楽しみに!



ここ一か月は近所の森をよく歩いた。

黙々と登ったり下ったりするこの時間で妙に思考がすっきりした。気分がいいから出かけるのではなく、出かけたからいい気持ちになる。からだの変化はこころの落ち着きに繋がりますね。

最近ちょうど、物書きをして暮らす先輩からも「どんなコンディションの時もとにかく書き続けることは大切だ」と教えてもらったところでした。そうしたらのちに勝手にまわり出す。結局、いつでもよいインスピレーションを受けられる自分を保つことだけが大事なのだ。

ということで、いいものをつくる!とか変に構えなくなったら、また気軽にコラージュを楽しめるサイクルに少し戻ってきました。よかった!


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これを書いている現在、3月は日本に2週間ほど一時帰国しており、春の芽吹きとともに実は個人的大浄化の流れに突入していました。

その浄化のきっかけが、私の場合は自分と父母との親子関係で、十代、二十代にぐっと抑えていた感情が今更ぶり返してきてしまった。

自分でも驚くような内容がさまざまに浮かんできて、はじめて言語化する日々。30数年の色んなデティールが詰まっているので細かく書き起こして伝えることがむずかしいのですが、表面上は親子関係にみえたわだかまりも、掘り続けると、実は本質的な課題は「ゆたかさを受け取れない」という私自身に潜む問題だったことがだんだんとわかってきました。

ゆたかさというのは物質的なことに限らず、チャンスを受け取れない、褒め言葉を受け取れない、助けを求められないなど、つまりそれは「自分にはそれを受け取る価値がない」という意識とも紐づいており、それと今こそ!向き合う必要があるタイミングだったみたいでした。

その精神はたとえば、人がハーブの知恵を生活に取り入れる姿勢にも繋がっていて「私は私自身を癒してよい」と許可をするような心境で。十分、この数年で自分をめちゃめちゃ甘やかして正直で生きてきたとは思ったのですが、まだまだ何かあるみたいだった。

実は今回の帰国前の1か月ほども森を歩きながら、激しく浮上してきたこの課題とそれにまつわる感情について検証を重ねていました。自己対話のなかで消化しようと試みたり、ときに夫にも聞いてもらったりもしたのですが、この度実家に帰ってからは20年越しくらいに本人たちに結局直接こぼしてもしまいました。

正直「いい大人(自分)が、醜いな……」と思ってしまうこともあるのですが、そんな未熟もわたしだった。

ずっと閉じていたコルクの栓をポンッと抜いてしまったような感覚で、瓶口からシュワシュワと聴こえる気泡のなごりを感じつつ、これを書きながらまた省みています。そして家族との対話のなかで、その絡みがほどかれていきました。感謝しかないです。


そんな日々のなか、先日はDgs Phytreatにもおじゃまできて!香織さんとまっきーさんにお会いできたりと嬉しい時間もありました。3人でお話するなかで、えっ未来がすごい楽しみ……!とわくわくするような構想をはからずも共有できて、2025年からの風を背中にぐわっと感じました。(いつか実現しますように!リトリート宿!)

そんなかんじで、ドラマ「ホットスポット」を彷彿とさせる、温泉に入ったときのようなゆるみを心身で感じる日本帰国です(私的に日本がまるごとホットスポットです……いい国だ……!そしてこのドラマ、とっても好きでした)。

ゆるんだときに、何か出ますね。




龍山千里 | Chisato Tatsuyama
1991年神奈川出身、2020年よりフランス在住。日本の織物産地でテキスタイルデザイン職を経て渡仏、2024年秋よりフリーランスとして活動を開始。コラージュの手法を用いてイラストレーションやデザインを制作する。
instagram @chisato_tatsuyama 



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