連載開始と同時に一人用のボートで海へと漕ぎ出したパリ在住の龍山千里さん @チサト 。エッセイ「ボートを漕ぐ道すがら」では、ボートの内と外を巡らせて浮かび上がるその時々の心象風景を綴っていただきます。毎月、創作してくださるエッセイの挿絵もお楽しみに!



ハーブを初めて意識的に生活に取り入れたときは今を想像が到底できていなかった!さかのぼるともう6年半ほど前。

当時大阪で働いていた私は体調を壊して仕事を辞め、シェアハウスの一室で空(くう)を見つめて抜け殻みたいだったときがありました。

身体と心が繋がっていることを深く感じたのもこのとき。どっちかの調子が崩れると、結構どっちもまいるな!と。

身体的には当時婦人科系にとっても負担をかけてしまっていた頃だった。必要な治療はしたと医者はいうけどまだ全然調子が悪い。あとは体力と心の回復を自分でしていくしかないんだと思ったとき、ネットを通じてカオリさんの発信に出会い、ハーブの知恵にはじめて触れました。

自分なりにブレンドしてみたり、そのお茶の香りに癒された記憶が今も鮮明です。

そしてパリに移住する運びとなって、カオリさんのアシスタント募集の声掛けに挙手!そこからまた、ハーブの知識を少しずつずぼらながらに生活に取り入れて救われてきました。


しかし当時は、まだ過去の婦人科系のトラブル、それにまつわる治療過程のトラウマもあり、メンタルのカウンセリングなども遠隔で受けていました。なるべく身体に負担をかけたくない、ゆえにセックスなどもしたくないというアイデアに発展したのか、いつのまにか性愛にまつわる話や態度、すべてに触れるのすら嫌になっていた。

当時から今の夫とは一緒に生活していましたが、そんな状態の自分自身を受け入れて、また自分が性愛とあらためて向き合い、パートナーシップのなかで育てるのに5年くらい余裕でかかった……!

もちろん、それがずっとなくても平和な夫婦はこの世にいくらでもいるのだけども、私の場合は自分の元来の性質と比べて、大阪時代の経験がもたらした拒否反応とのコントラストがあまりにも顕著だったので、若い時に戻りたいとは思わないが、このなにかどん詰まった状態を脱して、自分の実感としてニュートラルになりたいと切に思っていた。

そんなとき、二年前くらいにギリシャのクレタ島に行って、ギリシャ神話の本を色々と旅すがらに読んでいたら、まあ神々の奔放で自由なこと……!神話ってこれでいいのかと、当時結構な衝撃を受けました。それと同時に、性愛=穢れ、のような価値観が自分にあったことにも気づき、かならずしもそうではないよなと立ち返れた瞬間がありました。目からうろこ、という感じ。
なぞですが、そこから少しずついっそう肩の力が抜けた。

そんなちょいふしぎ体験も挟みつつ、数年かけて本当に少しずつフラットな状態にもどってきたのかなと思います。思えば「人生一度きりだ、今日の自分を出し切ろう」と絵に注力できたのもこの頃からで、なんか色々と生き方がシンプルになってきました。

その道すがらでは時にハーブの知恵の助けも借りながら、少しずつ本来在りたい自分に近づけているような感覚です。

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そしてこの夏、まさかの妊娠がわかりました。

身体的な接触自体が無理になっていた頃からは、正直ほんとうに想像できていなかったこと。しかし、その事実が発覚するとふしぎと産む覚悟も決まり、なんなら喜んでいる自分がいました。子どもがほしい!と積極的に思ったことがない人生だったので、余計我ながら不思議でした。

人って本当に変わるものだ……。

今は7か月目に入り、来年の春に生まれる予定です。


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ハーブを通じてカオリさんやまっきーさんとも出会い、すてきな生き方に刺激を受けながら、自身の治癒力や本来の性質を活かして「自分を信じて生きる!」ってことを少しずつ学ばせてもらったように感じています。

今回でこのエッセイは最終回となるのですが、またあたらしい人生の門出とともに、しっかり時間をかけてご自愛した分、こんどは家族たちや身の回りの人へ少しずつ何かを還せていけたら、と思っています。

これからもすこやかに!まだ見ぬ景色をもとめて航海を続けたいと思います。

長い間、連載をお読みいただき、ありがとうございました!


龍山千里 | Chisato Tatsuyama
1991年神奈川出身、2020年よりフランス在住。日本の織物産地でテキスタイルデザイン職を経て渡仏、2024年秋よりフリーランスとして活動を開始。コラージュの手法を用いてイラストレーションやデザインを制作する。
instagram @chisato_tatsuyama 



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